AI、機械学習には、統計を利用した比較的簡単なものから、最新のAIである深層学習を利用したものまで、50種類を超えるさまざまな仕組みがあります。
AI、機械学習が提供する主な機能について以下に記載します。
回帰 - 傾向分析や予測などを行います。また、結果に対する複数の項目の貢献度を導き出すこともできます。
クラシフィケーション - 分類することですが、画像の分類や与信審査など、様々な使い道があります。
クラスタリング - こちらも分類ですが、ソフトウェアが独自の判断を行い分類しますので、今まで人間が気づかなかったことを発見することもあります。
その他にも、話題の深層学習(ディープラーニング)を初めとする各種の仕組みがあり、応用分野は広がっています。
また、運用の形態についても、オンプレミスでの運用からクラウド上での運用まで、さまざまなものがあります。
そこで、お客様の目的や目標にあったものを選択する必要があります。例えば、あるシリーズ商品の売上を左右する要素について分析し、今後の商品開発に役立てたいという目的をお持ちの場合には、必ずしもクラウド上で深層学習を利用する必要はなく、オンプレミスで重回帰という統計の手法とBIツールがあれば十分目標を達成することができるかもしれません。
手法 | 運用 | 学習方法 | データ | |
---|---|---|---|---|
1 | 統計 | オンプレミス | 学習済を利用 | 公開データ |
2 | 機械学習 | クラウド | 学習から始める | 社内データ |
3 | 深層学習 | ― | ― | ― |
上の表に示したように、目的によって効率の良い手法や形態は変わってきますので、お客様にあったものを選ぶことが重要です。
IoT、ビッグデータ、AI、機械学習は、それぞれ深く関係すると考えています。
IoTなどで集められたセンサーデータや企業活動データなどの膨大なデータは、ビッグデータとして蓄えられます。このデータは、データを分析して課題の原因を追究し、対策を立てたり、新しい予測を立てて商品の開発に役立てるといった企業などの目的のために使われます。データは、BIツールを使用して統計的に処理されることもありますし、AI、機械学習の学習データに利用されることもあります。この結果は、下図にあるように、企業などが持つ課題の解決や目的の達成のために赤い矢印のようにフィードバックして初めて有効に使われたことになります。
したがって、IoT、ビッグデータ、AI、機械学習は、企業活動の手段として、それぞれが密接に関係し合いながら利用されていくことになります。
また、企業データのように、公開されていないデータは、そもそもデータを集めるところから始めなければなりません。このデータの取得と活用をまとめた図を下記に示します。
データが各個人のExcelに格納されている状況からデータベースに格納されることで共有化が可能となり、統計、AI、機械学習を使用したデータの利活用が可能となります。
弊社では、この4つの段階を積極的に支援いたします。
弊社では課題解決プロセスを以下の様に3工程で定義しています。ヒアリングについては費用は発生しませんが、それ以降の工程については費用が発生します。
ヒアリングでは、お客様の目的・目標、使用可能なデータとその構成などについてお聞きし、PoCに進めるかどうかを検討します。場合によっては、データをさらに取得していただく必要などが発生します。
PoCは、Proof of Conceptの略で実現可能性の検証を行うプロセスです。ここでは、限られたデータになりますが、小さく機械学習のプロセスを回して実現可能性の検証を行います。場合によっては、アルゴリズムの見直しや新しいデータの取得などが必要になる場合もあります。
PoCにおいて、実現可能という判断が下れば、AIや機械学習をドライブするソフトウェアの開発を開始し、同時に新規のデータの取得、新規データを使用してアルゴリズムの精度を高めるためのチューニングなどを行っていきます。
ここでは、少し変わった課題の解決例をご紹介します。
下の図は、工場で部品のピッキングを行う動線を、機械学習を利用して最適化したものです。ピッキング作業は、熟練者が行う場合には、自ずと最短ルートでピッキングを行っていると思いますが、慣れていない作業者が行うと、最短ルートの順番で回ることができず、効率が落ちてしまいます。このシステムでは、慣れていない人でも、熟練者並みの順番で回ることができるため、作業者による効率のバラツキを防ぐことができます。
いわゆる巡回サラリーマン問題ですが、機械学習を利用することにより、最適解を現実的な時間で求めることができます。
人工知能、機械学習、深層学習及びその英語表記がどう違うのか疑問を持たれている方が多いと思います。この3種類の用語の英語表記は、
それぞれの関係を図示すると、以下のようになります。
年代は、かなり大雑把に記載してありますが、現在の人工知能ブームは、2010年代に盛んに研究されている深層学習がけん引しています。それぞれの用語について簡単に説明します。
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また、弊社では、AI、機械学習のコンサルティングも行っております。詳細はこちらをご覧ください。