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岩通ソフトシステム株式会社はソフトウェア開発からサービスまでをトータルで提供するソリューションプロバイダです。

AI(傾向分析・予測)ソリューション Artificial Intelligence

※本製品・サービスはPoCを前提としています。

AI(傾向分析・予測)について

生産現場においては、様々な面での省力化、効率化が求められます。

  • ピーク消費電力の削減
  • 空調運転の最適化
  • 生産ラインの最適化
  • 人的ミスの削減
  • 在庫の最適化 等々

弊社は、これらの様々な課題に対し、データ分析、AIを活用し、最適な解決案を提案します。課題解決までの流れは以下となります。

Step1ではお客様と弊社で解決する課題の明確化と共有をおこないます。Step2では課題解決後の運用イメージを想定します。Step3では実際にお客様保有データを分析し、分析結果からAIの設計をおこないます。Step4ではAIをベースとしたアプリケーションをお客様の現場で試験運用し表示・操作等の問題をアプリケーションに反映させます。Step5でアプリケーションの本運用となります。

これらのStepは1度の取り組みで終了するとは限りません。Step3のデータ分析を行う時点でデータの不足が明らかになったり、Step4でアプリケーションの運用を始めた後に、データ分析の見直しが必要になったりすることがあります。

また、課題によっては全てのStepが必要でない場合もあります。例えば、Step3のデータ分析が終了した時点で当初の目的が達成できる場合もあります。

弊社はこれらのStepを組み合わせ、お客様の課題に応じ柔軟なサービスを提供致します。お客様が生産現場で課題をお持ちであれば、是非お声掛けください。弊社のサービスで、データの収集から課題解決までサポートいたします

弊社での事例

弊社では、工場において実際にデータ分析、AIを利用した課題解決を進めています。

  • Step1 目的の設定

弊社工場における解決したい課題は明確でした。電力会社に支払っている電気使用料金の基本料金を減らしたい。つまり、「デマンド値の抑制」が目的です。

※デマンド値とは、30分間における平均使用電力のことであり、電力会社に支う電気料金の基本料金はデマンド値で決まります。

  • Step2 運用の検討

その次に運用イメージについて議論しました。

現在の電気設備の機能を考慮せずに以下の運用イメージを想定しました。「電気設備を自動制御しデマンド警告を極力減らす」このStepで大切なことは、設備や工数の現状に基づいた運用をイメージすることではなく、理想とする運用をイメージすること、これを目標として共有することです。

分析に必要なデータは、できるだけ細分化された消費電力に関するデータです。

幸いにもブレーカ単位の消費電力量データが数年に渡り蓄積されていました。また、経験上、空調設備関連の消費電力が大きいと想定されましたので、上記データに加え、工場内部各所の温湿度データが必要であると判断しました。

このデータについては、空調設備に付随したセンサが工場内の数箇所に設置されており温湿度データが存在することを確認できました。

更には、空調設備の室外機にも温湿度センサがあり、外気温湿度データが蓄積されていることも確認できました。

  • Step3 データ分析

データは以下の3つで、日時と共に値が記録されていました。

  • ブレーカ毎の電力量データ
  • 工場内各所の温湿度データ
  • 外の温湿度データ

まずは、データ分析をおこないました。

・ ブレーカを用途ごとにカテゴリ分けして、工場内の総消費電力量に対してそれぞれのカテゴリの消費電力量がどれだけの割合を占めているか、見える化を行いました。その結果、空調系の消費電力量が全体の半分以上を占めていることがわかりました。

外気温湿度と各ブレーカの消費電力量との相関分析を行ったところ、空調系の消費電力量と、外気温湿度にはある程度の相関があることが分かりました。しかし、単純な相関にはなっていなかったため、外気温湿度の他に空調系の消費電力量に関係のある要因があると予想できました。

空調系の消費電力量のグラフを確認してみたところ、曜日ごとに電力量の多寡がある程度決定されることが分かりました。


また、朝の時間帯に多くの電力量を消費していることが分かりました。特に、冬季・夏季の連休明けの朝の時間帯は、工場内の温湿度と設定温湿度の差が大きいため、短時間に多くの電力を消費する傾向が明らかになりました。

判明したことから、工場でデマンド値の抑制効果を大きく得るためには、母数の大きい空調系の消費電力量を削減することが効果的と判断しました。

消費電力量を削減するためには、空調設備の効率的な運転指針を作成することが必要です。特に、消費電力量が増加するタイミングを事前に予測することが出来れば、その時点で空調の設定温度を変更したり、空調設備の作動時刻をずらしたりするなどしてデマンド値の抑制が可能と判断しました。従って、将来の空調系の消費電力量を予測することができないか検討を行いました。

曜日・時間帯・外気温湿度・内気温湿度と空調系消費電力量の間には、それぞれの要因が複雑に影響を与え合う関係性があり、AIでなければ未来の空調系消費電力量が予測できないのではないかと考えたため、空調系の消費電力量予測のためにAI技術を利用することにしました。

AIで過去の消費電力量・曜日・時間帯・外気温湿度・内気温湿度と1時間後の空調系消費電力量との関係性を学習し、1時間後の消費電力量を予測することが可能となりました。

グラフの通り、予測値と実測値はほぼ一致しており消費電力量の予測が出来ています。

次は、アプリケーションの作成とお客様との共有、それに続くStep4試験運用、Step5本運用なのですが、工場の空調設備は、ソフトウェアから運転をコントロールできるタイプのものではなかったため、これ以上の工程を進めることは断念しました。

現在は、データ分析から判明した結果から手動で空調設備を制御しており、将来、空調設備の入れ替え時にAIによる自動制御に切り替える予定です。

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