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岩通ソフトシステム株式会社はソフトウェア開発からサービスまでをトータルで提供するソリューションプロバイダです。

動線の最適化ソリューション Route Optimization

※本製品・サービスはPoCを前提としています。

工場、倉庫などにおける動線の最適化について

工場における部品のピッキング、倉庫での出荷製品のピッキングなど、人やロボットが広い倉庫の中を毎回異なる動線で回る作業が多く行われています。

動線が最適化されていれば、熟練した作業者でも新人の作業者でも効率的に作業を行うことができますが、動線が各作業者の力量に任されている場合には、作業者によるばらつきが生じます。

生産現場によっては、部品や製品の保管場所を工夫して動線が短くなるように工夫したり、ある製品を作るための部品はまとめて保管するなどの移動をしているところもありますが、すべてのケースにおいて最適化できているとは限りません。

ここで、ご紹介する動線の最適化ソリューションは、最適な動線を計算するアプリケーション・ソフトウェアです。このソフトウェアにピッキングする物とその保管場所の一覧および保管場所の位置の一覧を入力します。入力で指定したピッキング対象の物と格納場所から、動線を最適化し、回る順番を出力します。作業者は、出力された順番でピッキングすることによって、熟練者でも初心者でも最適化された動線に基づいて作業を行うことができます。

入力および出力の形式は、お客さまの運用環境に合わせて、ソフトウェアをカスタマイズすることが可能です。

動線最適化アプリケーションでは、今まで使用していた最適化を行わないルート、円を描くように回るルート、円ではなく開始点に戻らない平らなルートの3種類の方法を比較し、最短のルートを選択します。また、ピッキングの開始位置を指定することができます。

弊社実績例

下の図は、工場で部品のピッキングを行う動線を、機械学習を利用して最適化したものです。

下図は、最適化前の動線です。全体的にはうまく回っているところもありますが、まだまだ改善の余地があります。

下図は、最適化した動線です。一見すると違う場所を回っているのでは?と見えるかもしれませんが、まったく同じところを回っています。この例では、上の動線を25%短縮しました。

ピッキング作業は、熟練者が行う場合には、自ずと最短ルートでピッキングを行っていると思いますが、慣れていない作業者が行うと、最短ルートの順番で回ることができず、効率が落ちてしまいます。このシステムでは、慣れていない人でも、熟練者並みの順番で回ることができるため、作業者による効率のバラツキを防ぐことができます。

弊社では、最適化の結果をグループ工場でロードメーターを使用して実験を行い、効果を実証しています。

現場への適合プロセス

弊社では現場への適合プロセスを以下の様に3工程で定義しています。ヒアリングについては費用は発生しませんが、それ以降の工程については費用が発生します。

ヒアリングでは、お客様の目的・目標、使用可能なデータとその構成などについてお聞きし、PoCに進めるかどうかを検討します。場合によっては、データをさらに取得していただく必要などが発生します。

PoCは、Proof of Conceptの略で実現可能性の検証を行うプロセスです。ここでは、限られたデータになりますが、小さく機械学習のプロセスを回して実現可能性の検証を行います。場合によっては、アルゴリズムの見直しや新しいデータの取得などが必要になる場合もあります。

PoCにおいて、実現可能という判断が下れば、必要に応じてAIや機械学習をドライブするソフトウェアの開発を開始し、同時に新規のデータの取得、新規データを使用してアルゴリズムの精度を高めるためのチューニングなどを行っていきます。

本動線の最適化アプリケーションは、AIを使用したソリューションの中でも比較的適合性が高いソリューションですので、PoCは一般的に比較的短い期間で終了する傾向にあります。

各現場には現場独自の改善や取組みがあります。弊社では動線最適化プログラムのコア部分の改造、現場に合わせた入出力形式の変更など、骨格である動線最適化プログラムをベースにお客様の環境に合わせたカスタマイズを行うこともできますので、お気軽にご相談をお願い致します。

技術観点での動線の最適化について

数学的には、動線最適化は、循環サラリーマン問題と呼ばれ、NP困難問題(効率的な計算方法がないため総当たりで計算する必要がある。)の一つです。

今までは、ソフトウェアに最適解を計算させた場合には人間が許容できる時間内に答えを求められない問題と言われていました。

本ソフトウェアでは、AI(人工知能)を用いて、厳密には最も短い動線ではない可能性がありますが、十分運用に耐える最適化された動線を出力します。

計算時間の実装値を以下の表に示します。Intel I5のCPUを持つWindows PCであれば、概ね下記に示す時間で計算を行うことができますので、計算時間に関して実用上の問題はないと考えています。

部品の種類場所の数計算時間(秒)
143333.497
274498.538
31768154.071

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